テレビCMなどで残価設定ローンで気軽に新車が買えることをディラーなどでアピールしています。
残価設定ローンを組めば月々の支払額を抑えて車に乗れます。
同様に個人向けカーリースなどでも5年後の下取り価格を想定して差引いた金額が毎月のお支払いとなっています。
どちらも同じ様なアピールの仕方なので残クレとカーリースのどちらがお得か分からなくなってしまします。
このページでは残クレとカーリースのどちらがお得かを経済的な側面だけでなくメリット・デメリットから考えてみました。
新車への乗り換えを検討している方に参考になれれば幸いです。
目次
残クレとカーリースはどちらがお得になるのか?
まずは「残クレ(残価設定ローン)」と「カーリース」の違いについて確認してみましょう。
「残クレ」とはどんなローン?
残価設定ローンとは名前の通り、ローンの最後の支払に下取り価格を設定した金額にして残りを分割払いする方法です。
(残価設定ローン)と言います。
数年後の買取保証額を設定しておけるので月々の支払額を抑えて車を購入できます。
例えば5年のローンの場合は全部で支払額は60回になります。
この60回目に買取金額を残価として設定して車両価格全体から差し引きます。
そして残りの金額を59回で割って毎月支払うローンです。
残クレで最終お支払いの60回目の時に4つの方法が選べます。
1)新車に乗り換える
トヨタで購入したらトヨタの新車に乗り換える。
つまり同じメーカーの車に乗り換えることになります。
2)そのまま継続して乗る。
60回目の支払い分をそのまま払う必要があります。
若しくはここで再度ローンを組み直して分割にすることも可能です。
この場合は最初のローン設定時も車両価格に対して金利が計算されていますので、60回目の支払いを再度ローンを組むと金利の2重払が発生しコスト的に損をします。
3)車買取店の査定が良かったので売却して、好きな車に乗り換える。
60回目の支払い分を当初の予定通り支払う必要があります。
下取りの価格が契約時に設定されているのでもし乗っている車の人気が落ちて買取相場が下がっても、最初に設定していた下取り額での設定は変わりません。
その意味ではリスクは大きく抑えて安心して車に乗れます。
4)車を購入店に引き渡す
車が想定以上に消耗していれば支払いが発生することがあります。
日本自動車査定協会の定める査定が行われ、規定以上の消耗があればその程度により支払いが発生します。
また、走行距離は1000km/月を基準に残価設定されておりそれを超える場合も追加料金が発生します。
走行距離による追加料金は車種によって異なるためクレジットを組むディラーに事前確認が必要です。事故などの場合は規定通りの清算金が必要になります。
通常のローンと比べて残クレのメリット
- 月々のローンの支払額を安く抑えられる
月々の料金は安く抑えられても通常のローンと比べると支払総額は高くなります。 - 残価があらかじめ決まっているため相場の下落の心配がない
- 設定した支払期間ごとに新車に乗り換えられる
事故などによって清算金が発せする可能性がある
自分の個性を出した車の改造ができない
カーリースとはどんな制度?
不特定多数の人に貸すレンタカーと違い、長期契約によるクルマの貸出をしてリース料金を支払う方法をカーリースといいます。
同じクルマを借りることであってもレンタカーやカーシェアと違い「わ」ナンバーでは無いことも人気の1つです。
ただ購入した場合と比べると手数料や金利の部分でも総額は高くなります。
カーリースならではのメリットがあります。
先程お話した残クレとの大きな違いはカーリースはクルマを借りているということです。
残クレは所有を目的としています。
カーリースが残クレと比べてお得になる部分
残クレとローンについてお話してきました。
カーリースも支払い方法や支払う仕組みはほぼ同様です。
残クレにはなくてカーリースにあるメリットを挙げてみます。
1)事業で車を使っているのであれば毎月のリース料金は全額経費計上できる。
カーリースの場合は所有者がリース会社であり、車を借りて使っている契約です。
個人事業主や法人で、業務で車を使う場合は毎月のリース料金は全額経費で落とすことができますので節税や税金の申告の計算が楽になります。
残クレの場合は新車の購入になるので所有者になります。
(ローン未完済の場合は所有者名義はローン会社の場合もあり)
そのため税金申告の際は減価償却資産として計算が必要です。
車を購入したその年に頭金などを多く払ったとしても、車両代金すべてが経費としては認められません。
2)カーリースは毎月のリース代金以外に払わなくていいので明瞭会計
残クレで車を購入すれば通常通りに自動車税や自動車重量税、自賠責保険などの負担が必要になってきます。
それ以外にも、何か故障があれば保証期間外若しくは保証されていない部品であれば自己負担になります。
この辺りはマイカーを現金で購入する場合も変わりはありません。
カーリースではメンテナンスがリース料金に含まれたプランなどがあり月額に決まった金額以外に払う必要がなくなります。
そのため、車にかかる費用が明瞭で分かりやすく突発的な支出がなくて安心です。
つまり、クルマにかける経費を毎月一定にしておきたい方や、クルマを所有したことが無い方が初めて所有するときの予算を考える時に分かりやすく役に立ちます。
残クレとカーリースの本来の特徴とは?
残クレの仕組みやカーリースのメリットはご理解いただけたでしょうか。
ただ、残クレもカーリースも月額の支払いは安くなっても総額は高いのは変わりありません。
支払総額からみたときに、残クレとカーリースのローン金利などを計算しても大きな差額にはなりません。
それよりも不確定要素の強い、残クレ精算時とカーリース返却時の査定などによっても変わってきます。
カーリースでは車の維持費の根本的なことは月額費用に含まれています。
計画的に車検費用や自動車税などを貯めておける方であれば残クレの選択肢もいいかも知れませんが、ご不安な方は月々が同じ金額の支払いだけでいいカーリースがいいかも知れません。
もしくは、最終的には買い取って自分の車にするつもりが最初からあるのであれば残クレもいいと思います。
また月々を抑えて長期的なカーリースで最終的に自分の車になるもろコミなども人気です。
残クレとカーリースの違いはなくなってきている。ただ・・
本来ならば先程お伝えしたとおりカーリースは自動車税や車検、整備や調整、消耗品などのメンテナンス費用などを月額のリース料金に含まれて固定の費用で利用できることです。
その上、借りている車になるので固定資産にならず確定申告時も全額を費用として計上できるところでした。
この2点がカーリースの主な特徴でした。
また残クレは頭金ではなく、ローン終了後の車の価値を最初から引いてローンを組むことにより月額料金が安くなることが特徴です。
残クレとカーリースはそれぞれの特徴がありどちらがお得という考えよりも、車の利用の仕方や費用の払い方に差がありました。
しかし、最近は残クレもカーリースもサービス内容が近づいて行きています。
具体的に言えば残クレはあくまで車の購入費用のローンですが車の諸費用などを含めてローンにすることも出来るケースがあります。
同様に、カーリースは本来は借りている車なのでリース終了後は返すのが当たり前ですが、そのまま車を貰えるケースもあります。
残クレとカーリースのどちらにすべきか
残クレもカーリースもどちらがお得という考えは経済的な部分だけを取り出すと難しくなってきます。
確かに、細かい金利の差だけでみれば計算は出来るかも知れませんが、車両本体の値引きや整備代金の内、細かい消耗品の価格などを考えれば契約前に車を利用中の費用をすべて計算することは不可能です。
このページではそれでも残クレとカーリースのどちらがお得かをお伝えしたいと考えます。
残クレとカーリースの絶対的な大きな差は確定申告や決算で車の費用を固定資産とするか、費用として経費を計上したいか、まずはこのポイントを考えて下さい。
個人で使うカーリースの場合は特にこのような経費扱いを必要としない方も多いかも知れません。
固定資産でも費用でもどちらでも構わないという方は、支払い総額だけをメインで検討することになります。
自動車税や重量税、自賠責保険については残クレであってもカーリースであっても同額ですので見積もりをとればそのままです。
変わってくるのは車検をメインとしたクルマのメンテナンス費用です。特に車検費用はクルマの消耗部品やパーツに知識がある方とあまりない方で大きく変わってきます。
車検時に毎回見積もりをとって、過剰な整備などを見極めて車検に出すのが面倒な方ならカーリースのフルメンテナンスパックなどが便利になります。
逆にある程度クルマの整備に理解がある方ならメンテナンス費用を最低限に抑えてクルマを維持することも出来ますので残クレかカーリースのメンテナンスなどがついていない最低限プランで十分かもしれません。
それぞれの条件を確認してどちらからも見積もりを取ることをおすすめします。
車両本体の値引きや車検の基本料金などの計算ですぐにどちらがお得か計算しても変わってきます。
残クレとカーリースどちらがお得?まとめ
いかがでしたか?
残クレとカーリースはサービス内容が近くどちらにしようかの判断をまとめます。
ただ、先程お伝えしたとおり支払総額でどちらが特になるかはプランによる差が出ても大きな差はでません。
それよりも残クレでクルマを購入するならば値引きの交渉や車検の整備の知識などで支払総額は大きく変わってきます。
残クレもカーリースも両方の見積もりを取り寄せて、条件を見比べて最終的に判断することをおすすめします。
ただ、下記に示した「おすすめの方」に該当するならば残クレ、カーリースの両方ではなくどちらかの見積もりで問題ありません。
まさにそれぞれの特徴をついたメリットの感じる方だと思います。
問題は、どちらでもないと考える方は両方の選択肢を残しておいたほうが得策です。
・車検などは自分で費用を考えて必要な整備だけを厳選したい。
・クルマを購入するときも交渉や相場観を理解してできるだけ安く購入したい
・自分のクルマとして所有したい
残クレとカーリースのどちらがお得についてお話してきました。
結論は先程お話したとおり費用の計上の方法にメリットがなければどちらも見積もりをとることにあります。
今資金が無いが、車の早急に乗り換える必要がある、今すぐに車が必要というわけではなければ頭金を多くためてからの購入が総額的にも圧倒的にお得です。
理由は長期契約に基づく金利の金額です。
頭金を入れることにより金利を含めた支払総額は大きく節約できます。
残クレとカーリースの支払総額を比較するより少しでも頭金を入れることが一番節約になります。